ドッグタグは自衛隊にとってどんな意味がある?最近人気の理由や使い方もご紹介
ドッグタグは、ミリタリーファッションが好きな人に人気のアクセサリーの一つです。米海軍の戦闘模様を描くアメリカ映画「トップガン」ではトム・クルーズが首から下げていて、とてもカッコイイですよね。
じつはこのドッグタグは、現在も日本の自衛隊のみなさんは身に着けています。日本だけではなく、世界中の軍人さんにとって、それはとても大切な意味があるからです。今回は、ドッグタグは自衛隊や軍人にとってどんな意味があるのかご紹介したいと思います。またドッグタグにまつわる都市伝説についても少し触れてみますね。
ドッグタグは自衛隊にとってどんな意味が?世界の軍人もしているの?
犬の鑑札札に似ていることからアメリカでドッグタグ(Dog Tag)と呼ばれるようになりました。一体どんな意味があるのでしょうか。また、アメリカや日本以外の軍人がしているドッグタグついてもご紹介していきますね。
日本では個人を特定する「認識票」とも呼ばれている
ドッグタグですが、日本の自衛隊では「認識票」と呼ばれています。つまり、兵士個人を特定するためのものです。ドッグタグには自衛隊名・氏名・認識番号・血液型が英大文字と数字で表記されています。その書き順は、所属する自衛隊ごとに次のように異なります。憧れの自衛隊そっくりのドッグタグを作りたい人はぜひ参考にしてくださいね。
【陸上自衛隊(Japan Ground-Defense Force)】
- JAPAN GSDF
- 名
- 姓
- 認識番号
- 血液型
【海上自衛隊(Japan Maritime Self-Defense Force)】
- 名
- 姓
- 認識番号
- JAPAN MSDF
【航空自衛隊(Japan Air Self-Defense Force)】
- 名姓
- 認識番号
- JAPAN ASDF
- 血液型
ちなみに、どの国のドッグタグにも血液型が記されています。これは戦時中緊急で必要になった輸血のさいに重要な情報になります。
同じものが2枚式あるのはどんな理由があるの?
日本のドッグタグは2枚式で、そこにはまったく同じ個人の情報が記載されています。なぜ2枚必要なのでしょうか。自衛隊が戦場で命を落としてしまったときに必要なのです。1枚はそのまま遺体とともに残し、もう1枚は軍隊や家族などへの記録や報告用に回収されます。
戦場は過酷なため、遺体の損傷が激しいことも少なくありません。そんなときに、遺体の身元を明らかにしてくれるのがドッグタグです。燃えてしまったり破損してしまわないように、多くは金属製でできています。2枚式の場合には相互に触れて音が出てしまうため、アメリカでは外周をゴム製のものでカバー、日本ではビニールでカバーしてあります。これはサイレンサーと呼ばれます。
また、ジュネーヴ条約において、交戦中の相手国の兵士が亡くなった場合には、ドッグタグの1枚を相手国に引き渡さなければいけないというルールがあります。戦場へ送り出す家族にとっても、兵士の生死はもっとも重大なことなのです。
世界ではさまざまな形状・刻印方法のドッグタグがある
日本のドッグタグは、ステンレススチール製でできた2枚式であることです。アメリカ軍のドッグタグも2枚式ですが、刻印機を用いてタグの裏側までエンボスがしっかり出るように打刻します。いっぽう、日本のほうはレーザーによる細かいエッチングで浅く彫り込まれています。
また、1枚式のドッグタグは、中心線で切り離すことができるようになっています。ドイツでは楕円形の、カナダでは長方形といった形状の違いもあります。ただし、使い方は2枚式と同様で、分割したひとつは遺体の認識用、もうひとつは回収用です。
ドッグタグのノッチって?自衛隊の都市伝説と本当の使い方
現在自衛隊で使用されているドッグタグには、片側に窪みがあるのをご存知ですか。これを「切り欠き」とか「ノッチ」と呼びます。ノッチの使い方については、これまで信じられてきた都市伝説がありますので、本当の使い方とともにご紹介しますね。
戦士した兵士の口をこじ開けるというのは都市伝説
2枚式ドッグタグのうち1枚は遺体とともに残します。このとき、遺体の歯に噛ませてしっかり固定します。ここでノッチが使われていたというのです。死後硬直がはじまった遺体の口を開けるのは非常に力がいるため、ノッチを使ってこじ開けていたのだとか。
日本においても、「航空自衛隊認識票に関する達」にも、そう明文化されています。他にも、死後におこる気体膨満を防ぐため、ノッチをつっかえ棒にして体内のガスを抜いていたなどなど…さまざまな都市伝説があったようです。
【参照:航空自衛隊認識票に関する達】
http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/g_fd/1963/gy19630904_00048_000.pdf
真実は打刻機にしっかり固定するためだった
でもこれらの説は、兵士の間で誤った使い方がのちに常識として広まったものでした。じっさいには、ドッグタグに刻印するための打刻機にしっかり固定するためのものでした。
しかし、現行の米軍ドッグタグにはノッチはありません。ノッチがあったのは第二次世界大戦からベトナム戦争のあたりまでといわれています。打刻機もある時期から大文字だけでなく、小文字も刻印できるようになるなど進化しています。トップガンやプラトーンなどアメリカの戦争映画を見ると、しばしばドッグタグが出てくるので、その形状や刻印の違いを探してみるのも面白いかもしれませんね。
ドッグタグは自衛隊ではなくても装着OK!その使い方と注意点
ドッグタグは戦場に赴く自衛隊や兵士、そしてその家族にとってとても大切なものだと分かりますね。最近ではさまざまな用途でドッグタグが装着されるようになりました。その代表例をご紹介します。
アクセサリーやミリタリー系ファッションアイテムとして
ミリタリーファッションは時代に関わらず根強いファンが多いですよね。軍用のジャケットやカーゴパンツ、ミリタリーシャツは、コーデもしやすくカッコイイです。そこにアクセサリーをプラスするなら、ドッグタグのネックレスがおすすめです。
自衛隊で使用されているノッチ入りのプレートそっくりなドッグタグを作成してくれる業者もありますよ。金属プレートの素材やサイレンサーのカラーで自分スタイルにアレンジして楽むことができます。
恋人やパートナーとの愛情の証として
恋人やパートナーとの愛情の証としてドッグタグを身に着ける人も増えていますよ。愛情たっぷりのメッセージを刻むのもステキですし、二人だけにしか分からないマークを彫るのもオシャレですね。
ただし、ドッグタグを作成するさいに、刻印できる文字数が決まっていたり、日本語やいろんなフォントに対応していない場合があります。イラストやロゴ、写真を入れたい人は、柔軟に対応してくれる業者を選びましょう。
認知症の高齢者や迷子の心配がある子どもや犬の迷子札として
最近では、認知症の影響で徘徊してしまう高齢者や、小さい子ども、犬などのペット用に迷子札としてドッグタグが利用されることもあります。ただし、個人情報が誰にでも分かってしまう恐れがあります。ICチップを埋め込んだり、QRコードを採用するなどの工夫が必要かもしれません。
まとめ
ドッグタグは戦場に赴く兵士や自衛隊にとって、その生死を知らせる大切なものです。その知らせを受ける家族にとっても、重大な意味をもつものですよね。ノッチに関する真実も、言われてみれば納得です。
世界の軍人が身に着けているドッグタグは、それぞれ形状や素材が異なるようです。近年人気があるのは、日本の自衛隊やアメリカでベトナム戦争の頃まで使用されている楕円形のドッグタグです。ノッチ付きのタグにチェーンを通したら、本物の軍人がしているようなドッグタグになりますよ。ミリタリーファッションのほか、アクセサリーや迷子札にもおすすめです。
刻印工房クレストイーストでは、お客様のご要望に合わせてドッグタグを作成しております。ロゴやイラスト、写真などお好きなデザインで、また、日本語対応、長文メッセージもフォントの選択や文字サイズの調整も可能です。ドッグタグ作成のさいは、ぜひ一度ご相談くださいませ。